コロナ禍で苦境を強いられるレジャー産業だが、一方でキャンプやBBQといったアウトドア・レジャーを楽しむ人々が増えているそうだ。

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株式会社ロゴスコーポレーション 代表取締役の柴田茂樹社長
 テントやグリル、チェアなどのアウトドア用品を扱うメーカーは国内外に様々ある中、「世の中に無いものを創る」というモットーを掲げ、ユニークな取り組みを行なっているのが「LOGOS(ロゴス)」だ。

 同ブランドを展開する株式会社ロゴスコーポレーション代表取締役の柴田茂樹社長に、欧米スタイルのアウトドア文化を日本に持ち込んだ理由や、今後のアウトドアブームの可能性について聞いた。

後継ぎにはなりたくない…と父親とケンカ

 LOGOSのアウトドア用品を愛用するユーザーは通称「ロゴサー」と呼ばれている。野外フェスやキャンプ場などへ行けば、LOGOS商品のシンボルマークであるメイプルリーフ(楓)を見かけることも多いのではないだろうか。

「1928年に祖父が大阪で創業したときは、船舶用品を扱う問屋からスタートしました。父親も会社を受け継ぎ、やがて自分も後継者になるのかと考えたのですが、どうしても会社を継ぎたくなかった。高校3年のときには『大学に進学するか否か』を巡って、父親とケンカしていました(笑)。結局大学へ進んだのですが一切、父親とは口も聞かなかった」

 大学卒業後は一般企業で働こうと就職活動を続けたが、いわば「社長の御曹司」という立場である以上、なかなか採用してもらえずに苦労したと語る。

「面接に行っても『どうせすぐ辞めるだろう』と勘繰られてしまい、落とされてしまうんですね。当時の就職活動は父親の仕事を聞かれるんですよ。『すぐ辞めるなんて考えていない。会社へ貢献できるように頑張る』とアピールしても採用してもらえなかったことを覚えています」

突然父親からの電話。倒産寸前

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LOGOSの商品ラインナップ。2021年新製品展示会「2021 THE LOGOS SHOW」にて撮影
 それでも、大学卒業時にはスポーツ用品を扱う卸売会社へ無事就職が決まり、社会人生活をスタートした。順調に就職先の企業で4年間働いていたある日のこと、突如として父親から電話がかかってきたのだという。

「茂樹、年末まで会社がもたないかもしれへん。手伝ってくれ」

 まさに青天の霹靂(へきれき)とはこのことだろう。柴田社長は急な出来事で衝撃的だったと当時を振り返る。

原因は「ずさんな在庫管理」に

「父親の会社は、余っている在庫をどうにか売りさばく形でしのいでいる“自転車操業”状態で、いつ会社が潰れてもおかしくなかった。そこで、父親の会社に転職し、キャッシュフローを改善すべく在庫管理部門へ異動を買って出たんです。会社が立ち行かなくなりそうな原因は『ずさんな在庫管理』にありました。

 どうにか収益を生み出せないかと会社の商品をひとつひとつ見直すなかで、釣り具や合羽などを販売していた関連でパラソルやテーブルセットの販売が好調だった。全体で見れば微々たる売上でしたが『アウトドア用品なら危機を救えるかもしれない』と思ったのです」

 柴田社長がアウトドア用品に目を付けた背景には、学生時代のバックボーンが影響していると語る。

「学生の頃、『POPEYE(ポパイ)』を読んでいました。アメリカのライフスタイルを日本に初めて紹介した雑誌として有名ですが、大学生だった自分にとって憧れだった。当時の日本ではまだ『アウトドア』という概念がなく、ハイキングや飯盒炊爨(はんごうすいはん)といったイメージが主流でした

 他方、アメリカの若者は車にパラソルやタープ、チェアなどを詰め込み、友人や女性とビーチまでドライブして、海でのんびり過ごすというライフスタイルを、雑誌で目にしていました。『おしゃれな欧米式のアウトドア文化を持ち込んだら面白いのでは』と思ったのがきっかけでしたね」

 会社の危機を乗り越えるべく、1983年からアウトドア用品の販売に着手。その後1985年からLOGOSのブランドを立ち上げ、本格的にアウトドア市場へと参入したわけだ。

第1次キャンプブームと共に歩んだLOGOS

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アウトドア用品を扱う前から販売していた作業合羽。今もなお販売を続けているという
 立ち上げ当初は、釣りや船舶など水に関する商材ばかりだったため、柴田社長は従業員に「水ではなく丘に上がろう」と伝え歩いた。

「戦うフィールドを水から平野にし、新たなアウトドア用品を根付かせるために販路をまずは確保しようと努めました。しかし、当時は百貨店で扱ってもらえず、また専門店でも登山用品と一緒にされてしまい、『LOGOSは初心者向けだから扱えない』とレッテルを貼られてしまう始末。最初は、釣り具を置いてもらっていた得意先のGMS(General Merchandise Store:総合スーパー)で販売するところから始めました」

 追い風となったのは1985年あたりから火がつき始めた第1次キャンプブームだ。本格的な登山での個人キャンプから、家族で車に乗ってオートキャンプ場で気軽にアウトドアを楽しむ「ファミリーレジャー」が注目され、アウトドア用品を求めるニーズが高まった。

「キャンプブームに合わせる形で、ホームセンターもどんどん出店が進みました。そのおかげで『アウトドア・レジャー用品』という売り場カテゴリーで販売できるようになった。この頃から口コミで広がっていき、次第にLOGOSブランドの認知が広まっていきましたね」

玄人でなくビギナーにターゲット

 LOGOSの商品は「5m800m戦略」という独自の理論を持って展開していて、海辺5mから標高800mまでのアウトドアやレジャーを楽しむ層をメインターゲットに据えている。

「登山家だけに売っていてはだめ。そう思ってずっと商品を開発しています。LOGOSでは『玄関から一歩でも外に出たらアウトドア』と考えていて、冒険家や登山家が行う危険なアウトドアではなく、日常の中でも気軽に楽しめるアウトドア文化を作りたかった。よく『ビギナー向け』に商品開発しているとみられることもありますが、誰でもアウトドアを身近に感じてもらえるよう、機能性を重視して商品開発している。それが結果的に初心者にも愛用されるブランドになったのだと思います

 こうしたビギネー向けの商品展開が功を奏し、日本のアウトドア文化の火付け役として、LOGOSは次第に市民権を得るようになっていった。

 しかし、第1次キャンプブームに乗って百貨店やGMSでもアウトドアのPB(プライベートブランド)を出すようになり、自社店舗を出店する必要性を感じるようになったそうだ。

「1992年から直営店の出店を始めました。キャンパー入門者はもちろん、『何となくアウトドアに興味がある』『自分にキャンプは向いているか不安』といったお客様がお越しになります。接客では『60秒ルール』というのを設けており、商品の前で60秒立ち止まっているお客様を見つけたら、積極的にお声がけしにいく決まりにしている。アウトドアの魅力が伝わるよう意識していますね」

第2次キャンプブーム到来で再浮上

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「くるくるクッキングリル」はバウムクーヘンが作れるユニークなグリル
 1996年以降キャンプブームは下火となり、10年の間に気づけば売上が半減になったと説く柴田社長。再びアウトドアが脚光を浴び始めたのは「山ガールブーム」だった。

「第1次キャンプブームは昭和30年代(1955年)生まれの世代が牽引してきたわけですが、2009年頃の山ガールブームを筆頭に、非日常を味わえるグランピングやソロキャンプなど、キャンプスタイルの多様化に伴って第2次キャンプブームを再燃させたのは、当時子供だった世代がブームを生み出している。LOGOSも第2次キャンプブームに合わせて、出店攻勢を加速させています」

 ブームに左右されながらも、着実に成長を遂げてきたLOGOS。使いやすさや機能面の充実はもちろん多彩な商品ラインナップも人気を呼ぶ理由のひとつだろう。それは、年間300もの新商品を開発していることからも伺い知ることができる。

社長のアイデアを新商品に反映

 また、新商品のアイデアは柴田社長が3分の1を考えているというのだから驚きだ。一体どのように着想を得ているのだろうか。

「キャンプ場に行って思いつく場合や日常を過ごす中でひらめくこともある。最近ではLOGOSの研究所である『ロゴスラボ』に出向いた際に、新しいアイデアが浮かぶ場合もありますね。昔からアイデアマンと言われるくらい、企画を考えるのが好きなんですよ(笑)。『もっとこうすれば、よくなる』と思うものがあれば、すかさず企画のアイディアをラフスケッチで起こして、開発担当へ渡しています」

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ビギナーユースに最適な「エアマジックシリーズ」
 そんな柴田社長のアイデアで生まれた商品のひとつが「エアマジックシリーズ」だ。テントの設営はポールを組み立てたりペグ(地面に固定させる杭)を打ち込んだりと、キャンプ初心者にとっては割と大変な作業である。

 他方、エアマジックシリーズはポンプでテントに空気を入れるだけで簡単に設営できてしまう。さながら自転車の空気入れのように、誰でもテントを立てられるのは、ビギナーにとっては使い勝手のいいものだろう。

トレンドは家で楽しむアウトドア

 ただ、アウトドアを身近に感じられる商品がたくさん揃っていても、機会がなくては始められない。柴田社長に、これからキャンプを始めたいと思う初心者に、まず何から始めればよいのか聞いてみた。

「キャンプに誰と行くのか。また、何をするのか。まずは目的から決めるといいのではないでしょうか。最近のおすすめは自宅でアウトドアを楽しむ方法。『おうちでアウトドア』と銘打って、LOGOSも自宅で楽しめるような商品を展開していますが、家でテントを張って子供と寝てみる。LEDのランタンを灯せば、臨場感溢れるアウトドア気分を味わえます。

 慣れてきたら、庭やベランダでBBQをやってみる。アウトドア用品を買っても、結局使わなくなるのが一番良くないですが、自宅でアウトドアをやれば、ほとんどの人がハマると思いますね」

京都に体験型施設をオープン

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京都府城陽市にあるLOGOS LANDのエントランス
 今年でブランド設立35周年という節目を迎えるLOGOS、柴田社長はどのような事業展開を考えているのだろうか。

「アウトドア用品をただ販売するだけでなく“体験”を提供できる場を増やしたい。その最たる例が京都にある『LOGOS LAND(ロゴスランド)』です。LOGOSショップや宿泊施設、レストラン、カフェが併設した複合型のテーマパークでは、LOGOSの魅力を“宿泊”や”飲食”といった体験を通して伝えられる。

 今後はこのような体験型店舗を広げたいと考えています。やり方はいくらでもあると思っていて、都心のデパート最上階でテーマパークを開いたり、店舗にカフェを併設したりとお客様の多様化したライフスタイルに沿った形で、新たな挑戦をどんどんしていきたいですね」

 LOGOSは「Enjoy Outing!」を合言葉に、これからもアウトドアが楽しくなるような取り組みや商品を展開していくのだろう。今後のさらなる活躍に期待したい。

<取材・文・撮影/古田島大介>

【古田島大介】

1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

株式会社ロゴスコーポレーション 代表取締役の柴田茂樹社長


(出典 news.nicovideo.jp)

キャンプ初心者はまず何からすべきか。「ロゴス代表」に聞いた


これ勉強になりますね笑


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