コロナ禍の影響もあり、アウトドアブームが続く昨今。YouTubeでも、ヒロシら著名人をはじめ、キャンプやアウトドアにまつわるチャンネルが活況を呈している。そんななか注目を集めているのが、“サバイバルをするアイドル=さばいどる”の「かほなん」だ。もともとは売れないご当地アイドルだった過去、そこからどのようにYouTubeで人気を獲得していったのか。女性ならではのアウトドアの悩みについても答えた。
【写真】ドラム缶風呂に浸かるかほなん、アイドルが大自然の中で体を張ったワイルドキャンプ
■人気が出ず、メンバーは減り… ご当地アイドルがサバイバルに挑戦した理由
“さばいどる”としてとして、主にYouTubeで活動中の「かほなん」は、見た目は可愛らしい女性だが、やっていることはガチのワイルドキャンプだ。チェーンソーで木を切り倒したり、蛇を捕まえ自らさばいて食したり、ドラム缶風呂に入ったり。20代にしてすでに、自分も山も購入している。これらの動画が人気を博し、チャンネル登録者は38.4万人(7月21日現在)。もともとはご当地アイドルグループのメンバーとして活動していたが(2018年解散)、2016年から1人でYouTubeでの活動を始めたという。
――もともとは、アイドルグループで活動されていたそうですね。
【かほなん】2013年から、愛知県一宮市のご当地アイドルグループ「おーだーめいど138」(のちに「おーだーめいど」に改名)で活動していました。でも、なかなか人気が出なくて、メンバーもどんどん減っていっちゃったんですよ。これからどうしていこうか? と事務所の方と相談して、もともとアウトドア好きだったことからYouTubeでサバイバル企画の配信を始めました。当初は今と違って、ヒロシ隊長というキャラクターが何も知らない女の子に試練を与えて、その子が成長していく、という内容でした。
――いくらアウトドア好きと言っても、いきなりYouTubeの企画は大変だったのでは?
【かほなん】そうですね。当時はお米も炊けず、火も状態からのスタートだったので、その大変さはありました。好きではあったので、もちろんイヤではなかったんですけど(笑)。
――現在は登録者も38万人を超えていますが、最初から順調だったんですか?
【かほなん】いえ、全然(笑)。2016年に始めた時は、もともとのアイドルファンの方50人くらいが登録してくれて。それが2018年になっても200人くらいと、なかなか伸びなかったです。その後、企画内容を変えて、私一人で出演も撮影も編集も全部自分でやるようになってから、どんどん登録者が増えていきました。女の子が一人で、“上手じゃないけど頑張っている”というのが良かったのかもしれないです(笑)。
――動画を観てくれているのは、どんな方が多いですか?
【かほなん】年上の男性の方が多いです。キャンプの他に登山、釣り、車中泊などいろいろな動画を上げていますが、それぞれのジャンルに視聴者さんがいてくれます。私の動画を観て、「キャンプを始めたよ」という人もいたりして、うれしいですね。
――ちなみに、今はアイドルとしてライブなどはやっていないのですか?
【かほなん】以前は月に8~10本ほどやっていましたが、コロナ禍のために最近はほとんどできていないです。今の活動はYouTubeでのサバイバル中心なのですが、最近はありがたいことにテレビや雑誌のお仕事も増えてきて。トークショーもやらせていただくのですが、“ステージに立つ”っていうのが懐かしくて、アイドルらしくて。なんだか嬉しいですね!
■アウトドアブームの裏側で問題点も、山購入や女性キャンパーの不安にアドバイス
――先日、著書『アウトドアが100倍楽しくなる! さばいどるのワイルドキャンプ』(すばる舎)を発表しました。
【かほなん】私のキャンプは、自分で火起こしをしたり、薪割りをしたりと、ちょっとワイルドな“サバイバル要素”が含まれていますが、そんなテイストを生かしたキャンプ本を出したかったんです。2016年頃から「目指すは無人島生活」と言っているんですけど、そこに向けての途中経過報告も兼ねて、「こんなスキルがつきました。皆さんに共有します!」という感じです。
――最近はアウトドアブームで、女性でもソロキャンプに挑戦する人も多いです。一方で、SNSなどでは「せっかく1人でキャンプに来たのに、男性から声をかけられて面倒」「つきまとわれて怖かった」といった声もあります。同じ女性として、どう気を付けたらいいと思いますか?
【かほなん】無料のキャンプ場だとどんな人がいるかわからなくて不安だと思うので、私だったら、管理人さんがいて、利用者は名前を明記するような有料のキャンプ場に行きます。テントを張る時も、管理棟の近くとか、奥まった場所ではなくファミリー客の隣に張るとか。叫んだら誰かが来てくれるような場所がいいと思いますね。あとは、SNSで「どこどこなう」と場所を知らせないこと。自分を守るために、気をつけてほしいです」
――かほなんさん自身は、危ない目に遭ったことはないんですか?
【かほなん】とくにないですね。朝、カラスに間近で鳴かれて起こされたり、サルに石を投げられたりはしましたけど(笑)。死ぬかと思うほどの危ない目には、遭ったことはないです。やっぱり、事前に対策をすることが重要だと思います。熊避けスプレーも必携ですしね。
――また、近頃ではアウトドア用に山を買う人も増えているとか。かほなんさんも20代にして山を購入していますが、なにか注意点は?
【かほなん】よく言われますけど、山って維持するのがとても大変。雑草一つとっても、すごいスピードで伸びるから行くたびに草刈りは必須ですね。「キャンプ場を買った」というつもりでいると、つらくなってしまうかもしれない。「草刈りも楽しい!」と思えるような好奇心を持っていた方がいいと思います。
――これまでワイルドキャンプをやってきて、良かったと思うことは?
【かほなん】一人で何でもやってきたので、「斧で薪が割れる」「チェーンソーで木を倒せる」など、普通に生活していたら身につかないスキルがついたことです。災害が起きても、田舎暮らしや無人島生活でも、対応できるんじゃないかなと。たとえ水が出なくなっても、生き残る自信はあります(笑)。そういうメンタルの強さも身につけられました。
――各地で災害が多いですが、やはりサバイバルのスキルは役立つんですね。
【かほなん】そうですね。たとえば、電気がつかない、ガスが止まったという時にも、屋外でご飯を炊く、料理を作るというスキルがあれば対応できますよね。登山の際に持って行っていくアルファ米(水や湯をそそぐだけで食べられる米)、ミニ浄水器なんかも役に立つと思います。
――それは頼もしいですね! でも変な話、男性などから「一人で生きていけそうだね」と言われてしまいそうな…。
【かほなん】はい、その通りだと思います(笑)。最近ファンの方から、「無人島に何か一つ持っていくなら、かほなん」と言われましたが、最高の誉め言葉だと思ってます!
――現在の活動は、こうしたアウトドア活動がメインですか?
【かほなん】キャンプ、釣り、登山など月の3分の1はアウトドアで、ほかに編集をしたり。生活のすべてを「さばいどる」に捧げています。「さばいどる」はアウトドア的なサバイバルだけではなく、「アイドルとして生き残る」という意味もあって。アイドルとしても生き残って、将来はいろいろなトークもできるマルチタレントを目指したいです。
――今、特に力を入れている活動は?
【かほなん】今、車を改造して車中泊をしながら、で47都道府県制覇の旅に出ています。いろんな土地でアウトドアをして動画に上げていくので、観てくれた方が「行ってみたいな」と思ってくれたら、町おこしにもなるんじゃないかなって。
――動画を観る人、本書でアウトドアに興味を持つ人に伝えたいことは?
【かほなん】8月26日にもう一冊、『飯ごうレシピ マスターブック』(立東舎)というレシピ本を出します。飯ごうの同時調理とかいろんな料理を研究しているので、そちらも良かったら読んでください。今後も無人島生活を目指していろんな活動をして、YouTubeで流していきます。応援よろしくお願いします!
(出典 news.nicovideo.jp)
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