車中泊はコロナ禍になりワーケーションや密を避ける意味でも俄然注目の的に。快適な車内空間を楽しむことに関してはキャンピングカーは圧倒的だ。ジャパンキャンピングカーショーで見つけたモデルを題材に、キャンピングカーの基礎知識を元「いきものがかり」の山下穂尊さんと一緒にご紹介!
アジア最大規模の見本市千葉県・幕張メッセで開催された『ジャパンキャンピングカーショー2023』。これはアジア最大規模を誇り、期間中はオーナー、オーナー予備軍をはじめ5万人を超える多くの来場者を数えた人気のイベントだ。同会場には老舗から新進気鋭のビルダーまで数多くが出展。会場には実に300台以上の多くのキャンピングカーが並んでいたが、一口にキャンピングカーといっても大きく分けると6種類のモデル体系があり、いずれも炊事設備や就寝設備が備わっているのが大前提。
専用設計の最高峰モデル群まず、キャンピングカーのために最初から作られたモデルが「フルコンバージョン」、略して「フルコン」といわれるもの。「モーターホーム」とも呼称され、海外ではキャンピングカーの代表格でもある。
エンジン、フレームなど専用にいちから製作したボディを架装したモデルになる。またバスやバンなどのボディを運転席やフロアのみ残してカットし、そのカットした部分にキャビン(居室空間)を架装したモデルもある。これはフルコンバージョンに対して「セミフルコンバージョン(セミフルコン)」と呼ばれる。
リアルサウンドテックで以前に紹介したフィアットのキャンピングカーベース車両として正規輸入が開始されたデュカトベースのモデルも多くなってきた。
架装前のデュカトの荷室部分は人が楽に立てるほどスペースがあり、これを「部屋」にしていくことを考えると居住性は抜群。キャンピングカーショーでは架装前の車両にビルダーやオーナーが注目していた。もちろん「居住空間」としてはこのカテゴリーは広く充実しており、オートキャンパーの間では一度は体験したいクルマでもある。
キャブコンはトラックベース続いては小型トラックなどをベースにしたモデル。いわゆる「キャブコン」と呼ばれる。トラックの荷台部分をまるまる居住空間に使うため広いリビングと常設のベッドルームが特長。他にも収納式のベッドや運転席上部のバンクヘッド部分にもベッドスペースを作っているモデルが多い。写真のモデルはリビングモードではTVを見るためにベッドは収納されているが、就寝時にはそのベッドを展開する工夫がなされている。「フルコン」や「セミフルコンモデル」よりも価格帯が低くなるため、日本では一番人気のキャンピングカーカテゴリーになる。
普段使いも「イケる」ワゴン車ベースハイエースやキャラバンなどの1BOXカーの内装を改造したバンコンといわれるモデル。外装はベースのワゴンそのままのクルマが多いので街中では普段通りに運転でき、キャンピングカーにありがちな駐車場を探す悩みも少ないのもバンコンの魅力。またバンコンは架装によっては維持費にメリットのある8ナンバー登録も可能なモデルも多い。その室内はポップアップルーフやクッションの組み合わせでリビングにもベッドにもなるなどビルダー(キャンピングカーの架装業者)によって色が出ている。
トレーラーモデルはコスパがいいが……クルマでけん引するタイプがキャンピングトレーラー。「トラベルトレーラー」ともいい総じてトレーラーと呼ばれることが多い。トレーラー自体が自走しないためエンジンなどの原動機スペースがないため、全部を「居住空間」として使うことができる。
同様にエンジンを搭載していないので、装備に対してもその分、安価になり価格帯以上の豪華さが人気。しかしデメリットとしてモデルによってはけん引免許が必要(総重量750kgを超えるもの)だったり運転に慣れが必要だったりする。もちろん置き場所も考慮する必要がある。また普段使っているクルマでけん引できないこともあるので販売店などに相談したいところだ。
バンコンなみの機動力ピックアップトラックの荷台にシェル(居住空間)を載せるタイプが「トラキャン」や「ピックアップキャビン」と呼ばれるモデル。仕事などで普段からピックアップトラックを使っていて、休日にはその荷台に居住スペースを載せてアウトドアライフを楽しむ二刀流の使い方が魅力。このように取り外し可能にしているのもこのカテゴリーならでは。近年では移動時の快適性を考えてシェルを載せたままにするモデルも登場している。
普通免許で乗れるモデルもキャンピングカーでも移動時は荷物を運ぶことがメインのトラックベースよりも人を乗せることがメインのバスベースの方が乗り心地がいい。しかし大型バスだと現実的ではない。そこで脚光を浴びるのがマイクロバスをベースにしたキャンピングカー。「バスコン」と呼ばれるそれだ。しかも車重や乗車定員によっては普通免許でも運転できるものも。もちろん大型免許を持っていれば問題はないが現行法の中型免許以上があればほぼすべてのバスコンを運転可能。車内はもともと18人乗りや21人乗りを謳うクルマをあえて4人乗りなどにしているから広々。走る1LDKといったところだろうか。
人気急上昇中の軽キャントリを務めるのは維持費や運転のしやすさからで人気の軽自動車をベースにしたキャンピングカー「軽キャン」だ。軽キャンもベース車両が1BOXかトラックの2通りあり、1人か2人の使用ならば車中泊も車内の滞在も問題ない空間が作られている。デメリットは限られた室内空間のため、持っていく荷物が制限されることくらいか。
このように一口にキャンピングカーと呼ばれるクルマも、そのサイズや機能、ベースとなる車体などは多彩。アウトドアブームやキャンピングカー人気の今、各地でイベントなども展開されているので、気になった人は実際に確かめてみると良いだろう。
(出典 news.nicovideo.jp)
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