アクティブなライフスタイルに応えた1台
アウディは1月26日、新たなEVコンセプト「アクティブスフィア」を公開した。高度な自動運転機能とオフロード性能、ピックアップトラックのような荷台を特徴とする。
【画像】アウディA6やA7スポーツバックの後継に?【次世代EVコンセプト「アクティブスフィア」を写真で見る】 全65枚
アウディはこれまで、次世代車コンセプトとしてグランドスフィア、スカイスフィア、アーバンスフィアといった3台の「スフィア」シリーズを披露してきた。今回のアクティブスフィアは、その最新作にあたる。
その名が示すように、「アクティブ」なライフスタイルに応えることに重点を置いて設計され、高い機能性とオフロード性能を備えているという。
また、シングルフレームのフロントグリル、有機ELのヘッドライト、リアフェンダーなどの一部のデザイン要素は、今後の市販車にも反映されるとのことだ。
アウディのデザイン責任者マーク・リヒテ氏は、同社の取締役会でアクティブスフィアを提示したとき、役員が「恋に落ちた」と述べた。しかし、今後3年間の優先課題は「アウディ史上最大の製品投入」であり、A3、A4、A6、Q5、Q7といった既存モデルを新しいモデルラインに置き換える予定のため、2026年まで発売はありえない、とも述べている。
リヒテ氏は、将来的にA6オールロードクワトロやA7スポーツバックの後継としてアクティブスフィアが量産化される可能性を示唆した。
「現在、アウディにはA6、A7、そして(A6)オールロードがあります。そして、例えばの話ですが、『アウディ・オールロード2.0』がその未来なのかもしれません」
アクティブスフィアは、アウディとポルシェが開発中の新しいEV用プラットフォーム「PPE」をベースとしている。理論的には約100kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は600kmを「はるかに超える」とされ、800V電源により最大270kWの充電が可能だそうだ。
2基の電気モーター(前後に1基ずつ)から、最高出力442ps、最大トルク73.4kg-mを発揮し、0-100km/h加速5.0秒以下を実現する。つまり、現在のV6エンジン搭載のS7スポーツバックよりもパワフルで速いということになる。
次世代のデザイン オフロード性能も
リヒテ氏によれば、アウディのデザインは3年ごとに進化しており、アクティブスフィアは次世代車の特徴を示すヒントを与えてくれるとのことだ。
最も顕著なのは、2026年頃からEVに導入予定のシングルフレームグリル、軽快なシルエット、寝かせたルーフ、筋肉質なリアフェンダー、最小限に抑えられた折り目とラインである。
デザイナーのシャルル・ルフラン氏によれば、スポーツ用品を「ジェームズ・ボンド風に」運ぶことができるリアボディセクションも大きな特徴の1つだという。
ボタンに触れるだけで、リアウィンドウが持ち上がってスライドし、ゲートが開いてピックアップトラックのような荷台が現れる。リアシートの後ろには隔壁がスライドして設置され、雨風を防ぐ。
アウディはオフロード性能にも自信を見せる。ルフラン氏は、特別に強化されたPPEプラットフォームについて、「とても頑丈です」と胸を張る。「未舗装路や雪道での走行にも耐えられます。どこに行くにも、このクルマが連れていってくれるでしょう」
アクティブエアサスペンションにより車高を80mm上げることができ、最大248mmの地上高を確保できる。ARディスプレイでは、車体前部を「透過」して前輪の位置を確認できる。
22インチのホイールには頑丈なオールテレーンタイヤを履く。また、ホイール表面に開閉機構を設け、空力効率とブレーキの冷却効率化を高めている。アプローチアングル18.9度、デパーチャーアングル28.1度と謳われている。
自動運転の快適性とドライビングの楽しさ
また、他のスフィアシリーズと同様に、レベル4の自動運転機能(指定されたエリアでの自動運転が可能になる)を搭載。ペダル、ダッシュボード、ステアリングホイールは、使用しないときには自動的に折りたたまれて、広々としたラウンジ風の室内空間を演出する。
同時に、ダイナミクスにも注力しているという。UI/UXの責任者であるシド・オデドラ氏は、次のように語る。
「ドライビングとクワトロはアウディのDNAですから、ドライビング・エクスペリエンスを高めることにも力を注いでいます。このラウンジキャビンでは、ただコンテンツを楽しむだけではありません。ステアリングホイールに手を置いた瞬間、このインターフェースは空間的なものからドライバーに焦点を当てたものになります。すべてがドライバー中心になるのです」
インテリアでは、従来の物理的な操作系だけでなくタッチスクリーンさえも廃止し、AR(拡張現実)を主役とする「アウディ・ディメンションズ」というシステムを採用した。主要なディスプレイと車載機能をこのARシステムでホストし、ジェスチャーで操作して、運転シナリオに応じて適応させることができるという。
オデドラ氏は、「人を中心とした無限の空間インターフェイスを創り出しました。情報を適切な場所に配信することができます。過度な負担はかけません」と述べている。
A7のパフォーマンスにSUVの能力を
AUTOCAR英国編集部は、アウディのデザイン責任者であるマーク・リヒテ氏にインタビューを行った。
――このスフィアコンセプトは、気に入っていますか?
「ええ。これまでの3台(スフィアシリーズ)は、すでに存在するボディスタイルでしたから。でも、アクティブスフィアはまったく新しいものです。……このスタイルはなんと呼べばいいのでしょう? 何でしょうか? それが問題ですね」
――パフォーマンスカーという表現も当てはまるのでしょうか?
「アウディといえば、常にパフォーマンスです。アウディA7を昇華させたようなものですが、それ以上にSUVの能力を持っています。オールロードにはもちろんオフロード性能がありますが、(ランドローバー)ディフェンダーのようなハードコアなものではありません。それがこのコンセプトの背景にある考え方です」
――ライバル企業には、EVラインナップにおいてマトリョーシカ的なアプローチを追求するところもあります。それもあって、アウディは大胆なアプローチを選んでいるのでしょうか?
「もちろんです。彼らは、EVであることを視覚化したいのです。『こんにちは、わたしはEVです、見た目が違いますよ』と。アウディのアプローチは、まったく違います。大径ホイール、ショートオーバーハングなど、EVプラットフォームのポテンシャルを活かして、これまででもっとも魅力的で格好いいアウディを作り出すのです」
「以前は、内燃機関があるから、ホイールが小さいから、もっと広いトレッドが欲しいからと、いつもプロポーションと戦っていました。大きなホイール、短いオーバーハング、フラットフロアのインテリア。デザイナーにとっては夢のような話です」
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(出典 news.nicovideo.jp)
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